〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

誰なんだ。俺の知らない人か?

そもそも康介の状態はストレートなのか。
そこはどうなんだ。

「誰だよ...」

...ゴクッ。息が詰まりそうだ。

「う〜ん。...拓、」

お、おー、そう来たか。
だとすると未知の世界だな...。

「じゃない。...陽人」

「なー!?お、れ...」

「の、はずがない」

...テメー...。一瞬走った衝撃で、ドキドキしたじゃないか。

消去法で京か。なんだ普通じゃないか。
い、...あ、京?...京ーー!?京なのか?

「誰だと思う?」

「さあな」

ぁあ?京じゃないのか?
誰だよー。勿体振らないで言えよ。

「京だよ」

...て、おい。どストレートじゃないか、俺らの時みたいな変化球は無いのか。
だったら最初から言えよ。

「はぁ...、いつから」

「初めから」

初めからって...。

「陽人んちに行って、出て来たのが京だった時から。...だと思う」

そうか、そうか、って。
今頃、...。本当、今頃気付くなんて。
不憫な奴だな、お前も。

あの頃、自覚出来てたら京はお前と恋愛してたかもな。
康介とだったらスリルと刺激、経験出来てたな。
...。

「で。...はぁ...。どうしたいんだ?」

「どうも...どうにもならないだろうし。だろ?」

だから、俺に聞くな、俺に。
俺だってどうにもならなくなったんだから。

「ああ。どうにもならないな」

神妙な顔して...。
ショックの行き場も無いか。気付いた途端失恋だもんな。


「陽人、誕生日のお祝いしようよ」

はぁ?
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