〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
「ま、ご馳走様って言ったのはそういう意味よ。
気が付いてると思ったから。
豪華ディナーっていう意味も含んでたんだけど?」
豪華ディナー...フルコースよ。
だって...陽人、凄い大人なんだから。...どんな言い訳なんだ。
最初はあんなに優しくしてくれたのに。私はまだお子様レベルなんですからね...。
「気が付いてたら早く言ってよね?」
「知ってると思ったよ?
着替えてたら普通に見える場所だし。
それに気が付かないのが京だけどね。
いいんじゃない?そういう完璧じゃないとこ、京の魅力だと思う」
完璧じゃ無い事、多過ぎるから困ってる...。
年齢が高くなると許されない事例もあるんだから。
少なくとも、魅力と捉えてくれるのは、私に好意的な人だけだからね。
「ありがとう、麻美だけよ?救いの言葉を言ってくれるのは」
「あ、一つ忠告ね。その首のモノ。高身長の人には見えてるから。
つまり、デスクに座っている時もね。
それから、もう一つ。
課長は気が付いてるから。
課長を見ている私だから気が付いたのよ?」
「えー」
それを聞かされたところで、事実は事実。急に消せるモノでは無い。
はぁ...恥ずかしい。
大人がした事の結果なんだけど...。
「...ちょっと、顔、曇らせてた。課長」
「え?」
「...なんでも無い。そろそろ行こう?
お化粧直さないと。時間無くなっちゃう」
「うん」