〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

また一緒に入ろうとしたのはなぜ?
男の衝動は解らない。ただのスケベ心から?
突然の訪問も嫌がらなかったから、またいきなり来ても問題無いかな。
でも、人としていきなりは良くない。やっぱりちゃんと連絡してから来た方がいい。
今回限りにしようと。


ふぅ。なんだか、贅沢な気分になる。
人の部屋とはいえ、帰宅してお風呂にすぐ入れるなんて幸せ…。

…陽人、ちゃんと用意してくれてる。
下着を着け、パジャマ替わりのパーカーと短パンを履いた。
下着まで出して貰ってる事を思えば、本当、今更恥ずかしいとか言って…冷たかったかな。大人だし。
いやいや、大人とか関係無い。
恥ずかしいものは恥ずかしい。
決して自分の身体、勿体振ってる訳ではない。
恥じらいの部分よ、これは。


「陽人、ありがとう。なんだかごめん」

「なにがぁ?
水飲むだろ?冷蔵庫に入ってるぞ。
常温がいいなら、そこに置いてあるやつで好きなのいいぞ」

「うん。ねえ、何か作ろうか?」

私の服、ちゃんと掛けてくれてる。
たいして濡れてなかったのに。
やっぱり一緒に入るきっかけだったのかなぁ。
入った方が良かったかな。
また…今度、ね。

「冷蔵庫、もうたいした物、入って無いかも」

「見てみるね」

「ああ」

「う〜ん。カレーか、ハヤシか肉じゃがか…ねえ、残り少ないこの赤ワイン使っても…」

「…どれどれ」

!?、…ビックリしたぁ…。
気が付けば、後ろから一緒に覗いてた。…凄く顔、近いんですけど。
ふぅ…。こんなドキドキさせる事するもんなの…?

「お、お肉結構あるし、ハンバーグと肉じゃがにしようか?」

「おう。で、俺は何する?」

「手伝うの?」

「出来る範囲で」

「じゃあ、…包丁で、このお肉をこれでもかってくらい叩いて刻んで細かくして?」

「ミンチにするって事だな?」

「うん。お願いします。出来る?」

「細かくするだけだ。いけると思う」
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