〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

でも、…陽人、コンビニに何しに行ったんだろう。
スイーツが入った小さい袋以外、持ってる物は無かったみたいだし。
なんて言って出たんだっけ…。
確か、…コンビニ行って来るしか言わなかったと思う。
何を買うとも言わなかった。それはいいんだけど…。


…コンビニ行くのは口実だった?
…。
遅くなっても疑われないように、私に欲しい物があるかわざと聞いて出掛けた?
…誰かと会ってたの?
もしかしてコンビニ店員?お兄さんじゃなくて、お姉さんが居て…。それで話し込んでいた…。
それとも、誰かと連絡を取りたくて出掛けた?
私が居たら話せないから。

来た時お風呂入ってたのも、本当は出掛ける為だったとか?
予定が狂った。急に私が来たから、直ぐに行けなくなって…。
あ、だから、ご飯の前、行けなくなったメールをしてたとか。

私がお風呂に入っていた時も、ずっとメールしてたのかも知れない。その為にお風呂に入れって言ったのかも。

少しでも会いたくて待ち合わせして、部屋を出たのかも知れない。

フ、…馬鹿か、私は…。
こんな膨大な疑いを確かめもせず延々してるなんて。
我ながら呆れる。

陽人のちょっとエッチな言葉にイラッとしたからって、ここまで発展させるなんて。
妄想も大概にしないと。

…でも、何しに行ったんだろう。…フ、また、それ?

疑問は疑問。遠慮なんて今更無いんだから、聞けばいい事。
私は沈黙の中、長い妄想から意識を戻した。


「ねえ?陽人?」

「なに?」

「何しに出掛けたの?」

「…」

「ねえ?」

「…どうしても聞く?」

ゔっ。何…その言い方…。言えない事なの?
…やっぱり、聞くんじゃ無かった。

「あのさ〜」

「うわっ。ちょっと待って。やっぱりいい」
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