〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
後悔の連続じゃないか…。
そもそも、いきなり来たりしなければ色んな事に心を痛める事も無かった。
全ては自業自得、勝手な妄想なんだけど…。
あまりにもそそっかし過ぎる。
どこから改善したら良いやら。
まず、そうだ。
突然の訪問は二度としない。これは既に誓っている。
それから、根拠の無い事を思い込みで疑わない。これも…当たり前よね。
それと…。
「京」
「あ、何…」
「…余裕だ、な。…良くないのか?」
「え」
「考えもんだな…」
「ぁ、な、にが?」
「そんな…余裕かまされてると思うと…足りて無いって…事だよな…」
あ、え、何?ちょっと?
あっ…。考え事に一生懸命になっていた。
「違う違う。充分です」
違う違う。充分て言うのも変だ。足りてます。足りてるから。
「充分じゃなくて、えっと、いや、違う、もー、なんて言えばいいの?…足りてるから…」
「こう言えばいいんだよ。
…もっと。って」
囁いて首筋を甘噛みされた。
ぅわー。ゾクッとした。
…集中していなかった私が悪かったんだ。
「ダメダメ。もっとじゃない。大丈夫。足りてます」
「ダメだよ」
「あ…ちょっ…ん、ん、…も、陽、人…ぁ」
解った。これもだ。
翌日休みの日の訪問は極力避けた方が身の為だという事だ。
…時々はいいけどね。
「あ、俺、携帯弄ってたのはドラッグストアの閉店時間確認してただけだから。
なんかしてるって、疑わしい〜って顔してただろ?京。
別に何も無いから履歴もそのままだし、不安だったらいつでも携帯見ていいぞ?」
激しく首を振った。
携帯は個人の物。見る事はプライバシーの侵害だと思っている。
綺麗事で言っている訳では無い。人の携帯を見たいと思った事は今まで無い。
「大丈夫。陽人の物だから見ない」
「そう?まあ、見ても大丈夫だから」
「うん。見ないけど、気持ちはありがとう」