〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

抵抗する間もなく、スパッと脱がされてパパッと着せられた。
t可愛らしいベビードール…。

「京ちゃん、可愛い!流石に本物の女子ね。
さあこっちよ、入って」

寝室。女子仕様かと思ったら意外にシンプルだった。
勧められたベッドは柔らかい香りがした。

「いい香り…」

「でしょ?あまり強い香りはね、邪魔よね?
いい香りも限度よね。大量に振り撒く人がいるけどそれってキツくて眠れないでしょ?台なしよね。
女でも居るでしょ?
ほら、キッツイ香水つけて、それがいいと思ってる。
食事の場では大迷惑よね?密室も。ハラスメントよ、あれは、スメハラ」

「あ、解ります。
でもこれは香り自体も優しくて安らぐ香りです」

「ありがと。
明かりは暗くて大丈夫?ちょっとだけ足元の明かりいいかしら?」

「はい」

ベッド下の淡い明かりのみになった。
これはちょっとムーディかも…。

「じゃあと、ちょっとメイク落として軽くシャワーして来るから、横になって寝てていいわよ」

「はい」

ふぅ。なんだろう。
日だまりの中に居るような穏やかな気持ちになれる。
なんだか睡魔が…。
話、しようって言ってたのに…。


カチャ。

眠ってしまったか。確かに寝てていいとは言ったが。
まあ、眠れたのなら良かった。

何があったか知らないが、大丈夫だろう。
陽人にしてもこの子にしても、正直過ぎるからな。
相手を思うあまり言葉が足りなかったり、逆に言わなくていい事まで言ってしまったりするんだろうな。

はっふ。
俺もそろそろ眠くなってきた。

陽人、悪いけど小猫ちゃんと一緒に寝かせてもらうからな。

明日仕事は休みだよな。
好きなだけ眠るといい小猫ちゃん。

ベッドに潜り込んだ。

フッ。丸くなって眠っている。まさに小猫だな。
…少し、頂くよ。
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