〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

「は〜い、待ってたよ」

「テメー、コラァ、康介、京は!」

「もう…うるさい。寝室に居る。
別に拉致った訳じゃないからな?同意の上だ」

「はあ?!なんだぁ同意って。同意ってなんだ。
康介、お前まさかいつもみたいに全裸で」

「見ろ。これでも理性はある。穿いて寝たから心配すんな」

「パンツ…それでもなぁ…男だろ」

ほぼ全裸だろうが、コイツ…。

「一緒に寝たのか?」

「おう。仕方ないだろ?ベッドは一つなんだし。心配すんなって。なんもある訳無いだろ?」

「それでも性別は男なんだ。肉体だって…」

「ああもう…京ちゃんの方がさばけてるぞ?
…良く眠ってたよ。
何があったか知らないけど、大丈夫なんだろ?」

「解らん…言い過ぎた。
思っても無い事を言って、傷つけるような酷い事まで言ってしまった。
…ヤキモチを妬いたんだ。余裕も無いくせに強がったんだ。京のこと好きなのに」

「だってよぉ?小猫ちゃ〜ん」

「ぁあ?…京。起きてたのか…」

くそっ。康介のやつ、わざと言わせたな。


「…陽人、ごめん。飛び出したりして、話、ちゃんとしなくてごめん」

「いいんだ。俺が酷い事言って怒らせたんだよな。悪かった、ごめん。しかし…」

俺は康介を見た。

「お前…、こ、こんな格好、京にさせやがって」

「仕方ないだろ?うちにある女子のモノはセクシーなタイプしかなかったんだ。悪気は無い。別に外に出る訳じゃないし」

「にしても…」

「大変だなぁ、陽人ぉ。
良かったらベッド、使ってもいいぞ?」

「何の話だ…アホか。京は連れて帰る。
するとしても誰が好き好んでお前のベッドでなんか…」

コートを着させてキッチリ前を閉めた。

朝といっても一階上がる間に人に会わないとも限らない。
誰にも見られたくない。当然だ…こんなあられもない姿。

「ヘイ、ヘイ。
京ちゃん?似合ってるからそれはあげるよ。
また泊まりにおいで。じゃあね小猫ちゃん。またな陽人」

「お世話になりました。えっと…今は康介さん」

な〜んだ、丸くおさまっちゃったな。
…俺、厳密に言えば部屋は間違って無い。
自分の部屋に入るのにインターホンは押さないよ?…小猫ちゃん。
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