〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
「ベッドは凄く優しい香りがして、すぐ眠ってしまって…康介さんが戻ったの知らなかったの」
「で?」
「で?…なんだか目が覚めて…、見たら目の前に男の人が居て、そしたら康介さんで」
「アイツはパンツ一枚で寝てたと」
「…うん」
なんだ?その溜めは。
「京?」
「なんでもないんだけど、抱き枕にされてた。
よく眠れたって…」
…アイツー!…。
「京!ベタベタ触られたとか、何もされなかったか?」
「多分」
「多分?」
「だって…、寝てる間の事は解らないもの…。何もされてない。ただ抱きしめられて寝てただけ」
ただ、だとー?
抱きしめられて寝た事が、ただだとー!
「京、康介のところに行って来る。確かめて来る」
「待って、待って、陽人。大丈夫。何もされてないから。
陽人の友人でしょ?
そんなのしちゃダメだよ。長い友人でしょ?
私が何も無いって言ってるんだから大丈夫でしょ?…落ち着いて」
取り敢えず陽人を抱きしめた。
「本当か?庇うなよ?俺の連れだからって遠慮じゃないだろうな?」
「大丈夫。大袈裟に思う事じゃないから、大丈夫。だからって…平気とは違うからね?でも大丈夫」
「京…」
「陽人がこうして、抱きしめてくれたら、消えちゃうから、ね?
だからここに居て。もっと抱きしめて?」