〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。


「...でも」

無理っぽいんでしょ?

「どんなヤツがタイプなの?性格とかさ」

なんで?もうそんな事どうでもいいんじゃないの?
告白して質問なんかされると思ってもいなかったから、準備している言葉は無かった。
咄嗟に出たのは

「優しい人?」

だった。

「疑問形なんだね。
じゃあ、俺が優しい人じゃないって言ったら、無かったことにするんだ」

「それは...」

困る。普通の人は普通に優しいだろうから、問題にしなくても良かったかも。

「じゃあ、酷い人でもいいんだ?」

それも困る。なんて言おう。

「えっと、特に性格とかは気にしません」

「ふ〜ん。つまりどうでもいいって事だよね」

...思った以上に理屈っぽい人かも。
癖のある性格なのかも。
だって、OKかNGか言ってくれたらいいだけなのに。
...難しい人なのかな。
あっさり諦めてしまおうか。

「どうでも良い訳では無いです。普通でいいです」

こんな事、返さなくていいのに。
普通ってどんな感じって、また、言われるかも。
...もう、いい、断られてもいいや。

「俺でいいなら、いいよ。
俺だって君がどんな子なのか知らない。
だから、突然の告白に答えられなかったんだ。
答えられる要素が何一つ無かったんだ」

「えっ、いいの?付き合って、いいの?」

「理屈っぽいと思っただろ?」

頷いた。あっ...。だって多少思ったし。

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