〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

よく見直して…。
間違えてしまったら何をしていたのか、作り直した意味が無くなるものね。
…大丈夫ね。コピーしよ。

ピ、ピピ…。

「碧井」

「うわっ、はい」

「すまん、驚いたか?」

「はい。今、気を抜いていましたから。
不意打ちは無しです。びっくりしました」

ん?何だろう。

「仕事に対して真面目だよな、変わらずずっと。
女子社員の大半は就業時間ぎりぎりでないと、オフィスのフロアに入って来ないだろ?
休憩室やら、ロッカールームに居て。本当のぎりぎりのやつも居るけど」

んー、まあ、そんなものだろう。

「人によりますかね」

「ああ、人による。
ここに居る碧井という奴は、女子社員の中で誰よりも早く入る。
だから、今、こうして助かっている」

「課長だって、早いじゃないですか」

「俺は仕事が出来ないからだよ。
出来る人間なら、余裕で出社してくるだろ」

謙遜だと思う。
なんだったんだろう…。こんな話をしたかった感じでは無かったように思うけど。

「はい。出来ました。
コピーしてしまってからお願いするのはおかしいのですが、…大丈夫だと思いますが、確認して頂けますか?
部分的にでは無く、全体を」

「解ってる。そそっかしいからだろ?
いじらなくていいとこ、全消去してしまうって有り得るもんな、碧井だと。
…大丈夫だ。…出来てるよ、有り難う」

「良かったです」

何気にホッとした。

「大丈夫だよ。自信持て。いつも出来てる。心配無い。
気にするのはいい事だが、し過ぎる必要は無い」

「はい」

「有難う。助かったよ」
< 62 / 175 >

この作品をシェア

pagetop