〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
よく見直して…。
間違えてしまったら何をしていたのか、作り直した意味が無くなるものね。
…大丈夫ね。コピーしよ。
ピ、ピピ…。
「碧井」
「うわっ、はい」
「すまん、驚いたか?」
「はい。今、気を抜いていましたから。
不意打ちは無しです。びっくりしました」
ん?何だろう。
「仕事に対して真面目だよな、変わらずずっと。
女子社員の大半は就業時間ぎりぎりでないと、オフィスのフロアに入って来ないだろ?
休憩室やら、ロッカールームに居て。本当のぎりぎりのやつも居るけど」
んー、まあ、そんなものだろう。
「人によりますかね」
「ああ、人による。
ここに居る碧井という奴は、女子社員の中で誰よりも早く入る。
だから、今、こうして助かっている」
「課長だって、早いじゃないですか」
「俺は仕事が出来ないからだよ。
出来る人間なら、余裕で出社してくるだろ」
謙遜だと思う。
なんだったんだろう…。こんな話をしたかった感じでは無かったように思うけど。
「はい。出来ました。
コピーしてしまってからお願いするのはおかしいのですが、…大丈夫だと思いますが、確認して頂けますか?
部分的にでは無く、全体を」
「解ってる。そそっかしいからだろ?
いじらなくていいとこ、全消去してしまうって有り得るもんな、碧井だと。
…大丈夫だ。…出来てるよ、有り難う」
「良かったです」
何気にホッとした。
「大丈夫だよ。自信持て。いつも出来てる。心配無い。
気にするのはいい事だが、し過ぎる必要は無い」
「はい」
「有難う。助かったよ」