〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
あぁ、顔知らないんだった。
今夜にでも京に聞いとくか。
写真とかあるかな。
ブーブー…。陽人…。
【今夜来てくれ】
【解った。きっと私の方が早く終わるから、先に部屋に入ってるけど、いい?】
【ああ。鍵持ってるのか?】
あっ、今日は持ってなかった。…忘れてた。
必要無い時は、無くすと迷惑かけるから、自分から行くって決めて無い日は持ち歩かない事にしている。
【ごめん】
【だと思った。何時に終わる?】
【7時。もう終われる】
【早いな。なんとかする。終わったら会社に来れるか?
着いたら携帯鳴らしてくれ】
【解った。ごめんね】
【おう。待ってるぞ。気をつけろよ】
【うん】
陽人ぉぉ。最近、優しいんじゃない?こんなにやり取りしてくれて。
行くよ会社くらい。行く行く。
近くのどこかのお店で待ってるから、陽人。
【陽人、着いた】
あ、鳴らせって言ってたんだ。コールの方がいいのか。
RRRRR…。
「はい。京、着いたか?」
「うん。あ、陽人」
中を覗けば、もう下りて来ていた。
「来い」
手を引かれた。
「えっ?ちょっと、陽人」
「上に上がる。内緒だ。もうみんな帰った。
後少しで終わるから、俺の隣に座って待ってろ」
「で、でも、他所の会社のフロアには…駄目よ…」
「商談だと思え。『来客扱い』だ。それなら問題無い。エレベーター乗るぞ」
「う、うん」
なんだかいいのかな…。
こんなのって、ちょっとドキドキするんですけど。