〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。


「なんて呼ぶ?
さっきも言ったけど、俺は今まで君の事は知らなかった。
友達はなんて呼んでる?」

「下の名前で」

「じゃあ、下の名前で。で、何?」

本当に知らないんだ。

陽人君の事はみんな知っているのに。

私ってそんなに興味も持たれない存在なんだ。

クラス違うし、知らなくて当然か...自分で慰めちゃった。

「ごめん。俺、誰の事も知らないから。
そこは深く詮索しなくていいよ?」

そうなんだ。

「ありがとう」

「今日から一緒に帰る?
あー、部活入ってる?入ってたら、そっち優先で。
それから友達と約束がある時は、それも優先で。
住所知らないから、一緒に帰れる方向なのかなぁ」

「待って、ちょっと待って。
一度にそんなに言われても」

今の通りだと、ほとんど一緒に居られなくなるよ。

「部活辞めたりしちゃダメだよ?
付き合いの為に辞めるなんて、なんだかなって感じがする」

そうよね。それは解る。
でも友達優先したら、毎日一緒に友達と帰るって事になるの?

陽人君の住所は知ってる。
...女子のネットワークは侮れないのよ。

方向はうちとは真逆。
...帰れないよ、普通は。
途中まで一緒ってのも無いし。

ゔー。一体いつなら一緒に居られるの〜。

< 8 / 175 >

この作品をシェア

pagetop