〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
・どうなって行く、これから
大人の後悔は後を引くものだ。
引いてどうしようもなくなる、空しいのは誰でも無い、自分自身だからな。後悔はしない方がいい。
「京、…取り敢えず飯食うぞ」
ベッドから出た俺はパジャマ替わりにしているスウェットを穿いた。
Tシャツを被りながら、京に聞いた。
脱いだままだったズボンやワイシャツを拾う。
「寒くないか?京。すぐ部屋、暖めるからな」
リビングのエアコンのリモコンのスイッチを押した。
京はトレーナー一枚だ。
「大丈夫です。それ程寒く無いですよ」
「そうか。今はまだ布団の中だけど、出たら足は寒いかも知れない。
もう少しして、部屋が暖まってから来るといい。
これ、羽織るか?」
カーディガンを肩に掛けた。
「有難うございます。これも大きい…」
…課長の香りがした。
「当たり前だ。俺のだからな」
リビングから声を掛ける。
「唐揚げもあるぞ?こんな時間でも平気か?」
京がベッドから下りて来た。
「あ、はい」
「腹が減ってはなんとかって言うだろ?戦ではないけど、体はどんな時も元気である事が資本だ。食わなきゃ脳はどんどんマイナス思考になる。食べる事、栄養は馬鹿にならないからな。
一応サラダもあるぞ」
食べると言ってもどれだけ食べてくれるだろう。
誰かと一緒なら、少しは食べられるかも知れない。
「俺、玉子サンド好きだから、それキープな?」
温かいお茶を用意しながら声を掛ける。
「あ、私も好きです」
知ってる。わざとだ。奪い合えば食べられるだろ?
「ほい、お茶。頂き!」
「あ、ずるいです」
「よく見てみろ。ミックスサンドにだって玉子あるだろ?」
「全部玉子とは違います」
「そうだけど…。解った解った。すぐ食べないと、取り返すからな?」
「勿論すぐ食べますよ〜だ。あ、…すみません、ごめんなさい」
渡した玉子サンドを受け取りながら謝るから、顔を見た。