ヒモ系男子にご注意!!
(精神的な)春がやってきた。
「ど、どうぞどうぞ!お座りになって!」
女子3人はきゃっきゃと座る。
どうしよう話しかけられるとは思ってなかった!!!
こ、心の準備が整ってない………!
確かこの子たち同じクラスの子だ。
もちろんお友達になるべく顔と名前はすべて覚えた。
短髪ボーイッシュの佐倉美月さん
ふわふわで天然ぽい鈴宮千世子さん
真面目で大人しい西田真希さん
この3人はいつも一緒で、全員タイプが違うように見えるが楽しそうにいつも話している。
話しかけてきたのは佐倉さんだ。
「巳波ちゃんて、中学からの子じゃないよね?」
「え!うん!」
うわっ私今女の子と話してる!
「だよね!うちらでも見たことないねって話してたんだよ」
「この学校クラスが持ち上がりだからメンツ変わらないし、仲良くしようねぇ」
佐倉さんと鈴宮さんは前に座ってほのぼのと味噌汁をすすっている。
この人達となら仲良くなれそうっ!
「そういえば、ずっと学食だったの?いつも食堂で見かけるけど」
「うん。お弁当作る暇が無くて」
「そうなんだぁ………ねぇ、お昼一緒に食べてる人とは前からお友達だったの?」
「え?…あぁ井澄ね!何で?」
「いつも仲良く2人でお昼食べてるでしょ?何でかなぁって………」
そう言った隣に座る西田さんは照れたようにもじもじしている。
あぁなるほど!
「井澄のこと好きなの?」
「えっ!?あ、いや、その、」
耳まで真っ赤だ。
かぁわいいっ!!!
「そうなんだぁ好きなんだー!」
青春してるなぁ。
「す、好きかどうかは置いておいてください!」
「うん、まぁ置いておいて、私はあいつとはそんな関係じゃないから。安心してね」
笑顔を見せると、女の子は安心したようにして笑顔を見せた。
あぁ、天使。
でも井澄はお勧めできない。
女子にお昼を奢らせる男なんてろくでもないよ。
教えてあげたいけど、こんな幸せそうな顔されると言いづらい…
「巳波さんはハルヤくんのことどう思ってる?」
「え?別に好きなわけじゃないけど──」
「そうじゃなくて!だらしないとおもわない?あのクズ男」
…………お?
「え、えっと」
「私はやめといたほうがいいって何回も言ってんだけど、真希が聞く耳持たなくって」
──あれ?
「巳波ちゃんは知らないと思うけど、アイツは中学の時から有名なタラシなのよ。ていうかヒモ体質なの」
「そ、その話詳しく聞かせて!」