ヒモ系男子にご注意!!
「何?怖い顔しちゃって。お昼寝してるとのなんだけど」
鬱陶しそうにして寝返りをうつ。
「証拠があるって嘘でしょ」
「あぁ?」
目線をこちらに戻す。
「聞いたのよ。カマかけて脅しのネタ掴んでから、証拠もなく脅す。それが井澄のやり口だって」
「………で?」
よっこらしょと起き上がると、大きく伸びてあくびをした。
「だから、奢った分の金返せって」
ついヤンキー時代の声色になる。
「んーーー無理」
「はぁ?何で」
「俺結構気に入ってんだよ。依里ちゃんのこと」
「ほざくなヒモ男」
フラフラとフェンスによりかかる井澄は、へらへらと笑う。
「笑ってる暇あったら金返せ」
「うーんどうしようかなぁ」
「あ゛?」
「わぁ怖い。ていうか力ずくでくればいいじゃん?ここには俺と依里ちゃんしかいないんだしバレないよ」
「いや無理無理。あんた殴ったら折れそうだもん」
「確かにー。俺ぼっきぼきにされるわ。………金返すとして、その後も依里ちゃんは俺と飯食ってくれんの?」
何言ってんだこの男は
「はぁ?もう脅されてるわけじゃないから食べないけど?それにめでたくお友達出来たからね!ヒモ男と食べるよりも──」
──え?
それは一瞬だった。
フェンスにもたれかかっていた井澄はいつの間にか私の目の前にいて、
押し倒されていた。