ヒモ系男子にご注意!!
え?
何で押し倒されてんの?
てか力強いなコイツっ!!!
体をくねらせて脱出しようとするが無駄なようだ。
両腕を押さえつけられ馬乗りなっているため殴ったり蹴ったりは出来ない。
井澄はさっきまでのへらへらとした笑顔とはまるで別の人間のように冷たい顔になっている。
「おい、離せよヒモ男」
言ってみるが反応は無い。
「おーいヒモ──」
言いかけた時。
腕を押さえつけていた手に力がこもる。
「ひっ…!痛っ………!」
「さっきからさぁ。ヒモだヒモだってうっせぇんだよ」
………そんなとこにキレたのっ!?
事実じゃないか!!!
反論しようとした時、井澄の顔が耳元に来る。
耳に息がかかって、つい「ひぁっ」と声が漏れた。
「黙って俺のそばに入ればいいんだよ」
井澄は顔を上げる。
そして私の顔に正面からゆっくりと顔を近づけてきた──