ヒモ系男子にご注意!!
──ん?
「だから、日替わり定食Aが食べたい」
いらついているのか机をトントンと叩く。
「………奢れと?」
「そうに決まってんじゃん!は・や・く」
「え、でも財布見えてる」
「もう忘れたか。番長のことバラすぞ」
「あっ」
くそっ
仕送り多いわけじゃないのに!
渋々日替わり定食Aを頼み前に置いてやる。
「わぁ今日はハンバーグだ!いただきまーす」
何てガキ臭い男だ。
食べている姿は子供のように楽しげで、とても美味しそうだ。
よく見ると顔立ちは美形で整っている。
まつげも長いし目も凛々しい。
これが世に言うイケメンだろうな。
ふわふわの黒髪は今時のヘアースタイルで、箸を持つ指は細く白く長い。
今見ると子供っぽいが、さっきまでの顔は明らかに悪人そのものだった。
──変な奴
「そういえばあんたの名前知らないなぁ。何ていうの?」
コイツは名前も知らない女に奢らせたのか!?
ていうか何で元番長のこと知ってんだろ。
証拠って何だ?
たまたま見つけた、名前も知らない女の番長だった『証拠』を使ってお昼をたかった
みたいな感じなのか?
「………巳波 依里」
「みなみ より。ね。俺は井澄 晴哉」
そう言うとまたご飯を食べ始める。
イズミハルヤ…
なんか聞いたことあるような?