ヒモ系男子にご注意!!




「あのさぁ。自分で昼ごはん買う気無いの?」


入学してから2週間とちょっと。


毎日毎日お昼をたかられ、何気に向かい合って食べるのが板についてきた。


今日も私はラーメンで井澄は日替わり定食Aを食べる。


「依里ちゃんが優しいから甘えちゃうの」


「可愛くねぇよ」


井澄の甘え声はいつ聞いても寒気がする。


「私の他に一緒に食べる人いるでしょ?そっちいけば?」


「お前も俺の他にお昼一緒に食べるお友達いるでしょ?あ、いないんだっけ?(笑)」


あー殴りたい。


そう私はまだ友達がいない。


キャピキャピとした女子達が可愛らしく、天使ばかりで声がかけられないのだ。



元番長だったおかげでああいう可愛い女の子たちとの関わりは皆無だった。


しかもお昼はコイツに構われっぱなしで話しかけにいくヒマがないのだ。



「今日もご馳走様でした!明日もよろしくね」


井澄はそう言って離れていく。


いつもより食べるの早いな。


おなかすいてたのか?


メンマをボリボリ噛んでいると、隣と前に天使がやってきた。


「あ、あの、一緒に食べてもいいかな?」



< 9 / 14 >

この作品をシェア

pagetop