消せない想い
それから少し経って
彼から
一度、お付き合いしている方を
私に紹介したいと
連絡があった。
彼にエスコートされて歩く彼女は
とても穏やかで可愛らしい方。
そして
私が見たことのないまなざしで
彼女を見つめる彼は
まるで
愛しいものを見守る
陽だまりのような
そんな優しい目をしていた。
つい最近まで
私と一緒に無邪気に笑って
ふざけ合っていた彼の姿は
もうそこには見えなかった。
そうか…
彼は私の知らないところで
大人になっていたんだ。
私一人がいつまでも子供で
彼はそんな私を傷つけないように
一緒に歩いてくれていたんだ…。