万華鏡
添えられた真っ白な手の感触がまだ頬に残ってる。
ひんやりと冷えた手
そして、あの漆黒の瞳に、
あの瞳にもう一度、俺を映してほしい。
ドクンと高鳴った胸。
「はーちゃん!!」
「あ?」
目の前には苑の顔が。
「あいつは、何者だと思う?」
意識のないうちに屋上に作った指定席まで来てたのか。
俺の隣には、当たり前のように座るねおん。
そうだ、俺にはねおんがいるんだ。
「杏珠ちゃん、危ういねぇ」
吐き出すように話す和。
和はこの中でも周りを見れる。
洞察力には長けているのだ。