万華鏡
○side
「っく…」
ある一室で男女が絡み合う。
「天使、天使」
うわ言のように何度もその名を口にする。
男は意識が失ったようにただ欲を吐き出す。
そんな男の下にいる女は嘲笑うように妖艶に孤をかいて微笑む。
ことを終えて男はバタンと倒れるように意識を失った。
「はぁ、今日の収穫はこれくらいか」
なかなかいい情報だよ。
ニヤリと笑うあたしの顔が鏡に映し出される。
一切声を発しなかったあたしと違い男は声を出す。
それが、たまらないらしいけどね。