万華鏡
「着いたぞ」
陽に降ろされたところは、花籠会本家。
あの人のいる場所。
「あんた、そのキャラだと殺されかねないよ」
「ふふふっ。京ちゃん、やけに優しいのねぇ」
「別に」
京華とも、元は仲がいい。
前までは。
本家へと足を踏み入れると異様な雰囲気。
組員たちの目もギラついている。
「あっ、」
あたしと目があった一番新入りの大樹。
「杏さん…、」
小さく名前を呼ぶだけで寄ってこようとはしない。