万華鏡
「…、ゃ、いやっ」
うなされてるのかぶるぶると震えている。
俺は真野杏珠を膝の上に抱えてギュッと抱きしめる。
「大丈夫だ」
背中をゆっくりと擦る。
「いなく、…ならないで」
こいつは、孤独なんだ。
マンションにつき、真野杏珠を抱えて上へと上がる。
ベッドに寝かせようと真野杏珠から離れようとするとグイッと引っ張られた。
そして、虚ろな目を開いて
「傍にいて」
小さくか細く呟いた。
「あぁ」
こいつは、俺が守る。
こいつの居場所を作ってやりたい。
そう決意して目を閉じた。腕の中に温もりを感じながら。