万華鏡
銀の糸がキラキラと輝き、短く切れる。
二人だけの空間。
だけど、あたしはこの人を好きにはなれない。
否、なってはいけない存在なんだ。
頭を働かせていつものあたしへと戻る。
「総長さん、そろそろ帰りたいんだけどー」
仮面をつけて話す。
面食らった顔であたしを見てくる颯。
これ以上、踏み込まれるのは厄介だ。
一線引き、ストップをかける。
けどさー、こんなに馬鹿だと思わなかったよ。
「杏珠、何を抱えてる」