あやめも知らず
パラパラとめくると、小さい子向けの言葉を覚えるような本だった。
イラストを見ると、まるで私のように異世界から人間がやってくる話にみえた。
これなら、簡単な会話くらいならなんとかなるかもしれない。
やはり、言葉が通じないと何も進まない。
元の世界へ帰る方法を見つけなければならない。
それにしても手際がいいな........私のような言葉を話せない、理解できない人間が城の敷地内に突然現れても平然としていたし、きっとこの絵本を渡したのも、言葉を覚えるようにするためだ。
前例があるのか?これってよくあることなの?