あやめも知らず
その後、汚れた制服を洗濯してくれて、お風呂に入ったり、新しい服を着せてくれたりいいように扱ってくれた。
たまに部屋を覗きに来てくれるシンさんに新しい本をお願いすると驚いた顔をしていた。
次の日も、その次の日も本を一日中読み続けた。
きっとシンさんもこの王宮では偉い人なのだろう。
けれど、シンさんが直接ご飯を持ってきて世話をしてくれる。
けれど未だに、この世界に来た時からずっと感じていた自分の中の、謎のエネルギーを消費している感覚があった。
普通に生活をしているだけなのだが。