あやめも知らず


「小暮さんって、すごいよね。」

「小暮あやめ?どうして?」

「語学が好きらしくて、16歳にして15ヶ国語習得してるみたい。」

「ええ!!」

私は、興味と努力で生き抜いてきたようなものだ。
この私立の高校に入れたことだって。

あまり、今までの人生は平凡とは言えないものであると思う。
だからと言って、自分の環境に悲観して、不幸だと嘆きたいわけじゃないんだけれど。


小さい頃に親が離婚。
そして母親に引き取られるも、男に擦り寄って私なんて見ていなかった。


何せ、離婚の原因がそもそも母の浮気だからだ。

そして、母の面影がある私を父は嫌ったから引き取ってはくれなかったのだろう。



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