あやめも知らず



コンコン

「おはよう。朝食だよ、アヤメ。」

「おはようございます、シンさん。」


ガチャリと入ってきたのはシンさん。

この世界に来て三週間ほど経つが、今でもお世話をしてもらって申し訳ない。
というのも、一通りのことは自分でも出来るのだが、食事だけは未だに運んでもらっている。



やはり、突然私のような者が王宮内をうろついていたら問題になるからだろうか。
それにしても、この王宮の持ち主は、王様は、知っているのだろうか。


こんなにも私に良くしてもらっている人に恩を仇で返すことは出来ないな.....。



「アヤメはすごいね。こんなにもう、普通に会話が出来る。」

「いえいえ、元の世界でも言語を覚えることは得意だったんですよ。」







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