あやめも知らず
「イビトは大体3年に一人くらいのペースでやってくるんだ。」
じゃあ、今この世界に私のほかにもイビトがたくさんいるんだ......。
「ちなみに、イビトたちは皆同じ世界から来ているよ。」
「そうなんですか!?」
異世界から来た、と言ってもイビトが皆同じ世界に住んでいたとは限らないと思っていた。
他にも世界があるのかと思っていたけれど、どうやらイビトは私と同じ地球からやってきたと分かって少しホッとした。
「大体3年に一人やってくるというのは、公になったイビトであるから本当はもっと来ているんじゃないかって思う。アヤメも公表してないしね。
それでもイビトは珍しい存在であるから、半端に顔を晒して公表すると危ないんだ。」
「人身売買........とかですか......?」
シンさんは静かに頷いた。