あやめも知らず


「それにね、イビトって特殊な能力を持っていることが多いんだ。

皆が皆ってわけじゃないけれど、そちらの世界のほうが色々進んでるみたいでね。専門の分野の者たちがイビトたちが持つ知識や技術を欲しがったりすることも多いし......。

医療や経済、それはもう様々だよ。」


特殊な能力ってそういうことね......。

もしかして、私もそういう能力を持っているんじゃないかと期待されて拾われたのかな。


「でも私........。」


何も無い。

少し人よりも勉強が出来たただの16歳の高校生だった。
たくさんの言語を操れてもこちらの世界では通用しない言葉ばかり。

何かに専門的に特化していたり知識も技術も何もない。




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