あやめも知らず
わ!ラッキー!偶然「リングワゴン」の表示を見つけた。
フルーツのお店のようだ。
よく見ると、イチゴみたい。
「お嬢さん、見ない顔だねえ。」
お店の中をジロジロと眺めていると、お店のおばさんが笑顔で話しかけてきた。
「え!」
イビトだと勘付かれたと一瞬ドキっとしてしまった。
「こんな可愛らしい子なら忘れないと思ってねえ。」
「いえいえ、そんな......。」
「上等な質のものを召しているのねえ、どこのお嬢さん?」
シンさんから与えられた服を着ている。
とてもいい素材で出来ていると思ったけれど、やっぱりそうなんだ。