あやめも知らず




「それとも、能力を買われに王都へ地方から出向いてきたのかしら?」


なんだか何を言っているのかよく分からない。
けど、そういうことにしておこう。


「はあ、まあそんな感じで.....。」

「そうなのね、頑張りなさいね。知っていると思うけれど、特にレイ王子は冷酷王子なんて言われているほどだからねえ。」


レイ王子......って、あの王子のことだよね!?


「まあ、能力の買われなかった貴族様が皮肉めいて言うようになっただけだけどねえ。」


こそっと小さな声で私にそう言った。


「お陰様で、王子が王宮内の人事を整えて安定しているわよね。まだ齢14だというのに、本当にしっかりしていらしてる。」



じゅ、じゅうよん!?


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