あやめも知らず
シンさんは大きな扉の前で足を止めた。
「ちなみにここはレイの執務室。ちょっと僕はやることがあるからレイを呼んで、一緒に中庭に来てね。じゃあ。」
「ちょ、シンさん!?...........やっぱり鬼。」
手をひらひらと振って足早に去って行ってしまう。
王子に私が言葉を理解して話せることを黙っていたことがばれてしまったって、ついさっき知ったのにどんな顔で会えばいいのか......。
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