あやめも知らず
「それに?」
ハッとした顔をする。
「いや.......なんでもない。
とにかく、元々身分の高いものが切り捨てられたりするといい気分じゃないだろう。
汚職も徹底しているから、暴かれて爵位剥奪された者もいるしね。
だから冷酷王子と吹聴したり、そうやってレイをよく思わない者も多くいる。
とはいえ、レイ自身も、あながち間違えではないから好きに呼ばせておけと言っているけれど.....。
いつも、無能は容赦なく捨てる。
僕もたまにやり過ぎだと思うことがあるよ。
でも、レイの人を見る目は確かで右に出る者はいないし、そうやって情を一切排除するレイがこの国を守っている。
小さな頃から見ているけど、いつだって大きなものを背負って苦労をしている。
周りにどう言われようとも、あいつの側近であることを誇らしく、幸せに思うよ。」