あやめも知らず
空腹。
しかし、1食食べていないだけだ。
それくらいではここまでふらふらにならないだろう。
分かる。
自分の中の、何かエネルギーのようなものの不足のせいで生気がちりちりになっていく。
私の身体が、この世界に合わないと悲鳴を上げている。
私の元いた世界ではないことが、痛烈に感じられる。
異世界だ。
一晩中歩きながら、やっとのことで壊れそうな精神を落ち着かせた。
しかし結局、朝になった頃には既にその場で倒れていた。