『美味しい』は『可愛い』より正義な件について

健吾がコロッケを一つつまみ、がぶりと豪快にかぶりつく。

「……どう？」

私は固唾を飲んで見守った。

神妙な顔でコロッケを咀嚼していた健吾が唸った。

「美味い。ジャガイモのゴロゴロ感に、甘辛く味付けされたひき肉が絡み合っていて食感もいい。揚げたてで油がさっぱりしているし、何個でもいける。」

それだけ言うや無言でコロッケを食べている。

どうやら食事に集中する事に決めたらしい。

私も一口つまんでみる。

う～ん、揚げたて最高！

衣もカリッと揚がってるし、油の温度もちょうど良かったみたい。

中身はホクホクしていてまるで今の私の心情みたい。

付け合わせにしたかぶとサラダも、コロッケをいい感じで引き立てている。