『美味しい』は『可愛い』より正義な件について
「ねえ、ご飯食べたらさ、お願いがあるんだけど。」

「何?」

「廊下のところ、蛍光灯切れちゃって。付け替えるの手伝ってもらえないかな?」

「ああ、別に構わない。ってゆうか、一人で無理すんなよ。今は果歩さんいないんだから。」

いつもはママと二人がかりで取り換えるのだが、今はママはいない。

「本当、健吾いてくれて助かる!いつもありがとうございます。」

「おお、存分に敬えよ。そしてピラフ、おかわり。」

私は笑ってピラフのおかわりをよそいに行く。

そこでふと思った。

(なんか今の私達……夫婦みたいじゃない?)

顔がニヤける。

ピラフをよそって席に戻ると、健吾が怪訝な顔をしていた。

「なんだよ、ご飯よそうだけでニヤニヤして。」

私は慌てて顔を引き締めた。

(一人で新婚気分味わってましたなんて、口が裂けても言えないわ。)
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