『美味しい』は『可愛い』より正義な件について
ぐつぐつと沸いたところで、浮いてきた灰汁を丁寧にすくって捨てる。

鶏肉よりも若干灰汁が多いかなあ。

ローリエをポイっと加えて、様子を見ながら煮込んでいく。

コトコト コトコト

豚肉がやわらかくなったところで、一旦火を止め市販のルーを入れ、煮溶かす。

カレーはここからが勝負だ。

私は入れる。とにかく入れる。

ショウガ、ニンニク、ケチャップ、イチゴジャム、お醤油、チョコレート、牛乳、はちみつ、オイスターソース……

色々入れることによって、より複雑な味へと仕上げていく。

カレーの濃厚でスパイシーな香りが鼻とお腹を刺激する。

軽く煮込んで、味見をして、よし、完成!

そこへちょうど健吾もピンポンとやってくる。

「おかえりなさい。遅かったわね。」

「おう、ちょっとな。…この匂い、カレー?」

「うん、今日は自信作。さ、座って。」

カレーを盛り付け、レタスとツナとコーンのサラダを添えたら出来上がりだ。

「「いただきます。」」
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