甘えてよ。※素直じゃないです※
プロローグ
高校1年生
うららかな陽射しの中、机の上に突っ伏して寝る、好きな人。
窓から見える桜吹雪が、まるで映画のワンシーン。
この学校、桜で有名なんだよね。
市内なんちゃら百景とかいうヤツのひとつみたい。
────────今年も春が来たんだなぁ、なんて。
あたしなんかでも、あっという間に高校2年生だ。
おっと、そんなことより、この人を起こさなきゃ。
「そらっ、起きて!」
隣でスースーと寝息を立てる、幼なじみの水川 蒼月をつつく。