いつも隣に君がいた
「実夏?」
声の主は綾斗くんだった。
私が考え込んでいるうちに、サッカー部の部員がグラウンドから出てき始めていた。
「待っててくれたの?」
「う、うん....」
実夏はチラッと私の方を確認しながら答える。
自分が綾斗くんと帰ることになったら、私が取り残されるのを気を使ってくれている。
「すぐ着替えてくるから」
私と修司が気まずくなっているだなんて知りもしない綾斗くんは部室へ急ぐ。
「綾斗!待って!」
実夏の声は綾斗くんには届かなかった。