いつも隣に君がいた
初めは、カイに会えない怒りの矛先は、いつも大人たちに向けられていた。
カイは本当はどこか私の知らないところにいて、
大人たちがそれを隠している。
大人たちが、私たちを会わせないように、二人を引き裂いてるんだって、そう思っていた。
それは、小さいからまだ事のあらましを理解できなかったからなのか、
それとも単に、カイがもういないという事実を背負い込むことができなくて、誰かに転嫁しようとしていたのか、
今となってはもうどちらだったのかはわからない。