いつも隣に君がいた











『カイ、ダメだよ。川のそばに行っちゃダメ』











思わず、私はそう言ってしまった。











『お父さんたちに謝って、新しいボールを買ってもらおう?』











そう言って覗き込んだカイの表情は、とても悔しそうだった。











今にも泣きだしそうな顔で、歯を食いしばりながら、











『あのボールがいい』











とつぶやくカイに、











私は何と言えばいいのか分からなかった。











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