先生と恋したい
塾は8時から。
いまの時間は7時20分。
塾までは電車で20分かかるし、駅から少し歩くから7時半の電車に乗れないとアウトだ。
「お母さん行ってきます!」
「はーい行ってらっしゃいー。」
駅までダッシュで走るとちょうど電車が来ていて飛び乗った。
良かった〜セーフ
私の塾は個別塾で、科目ごとに担当の先生がいる。
今日は優しいおじいちゃん先生が担当の数学だ。
電車から降りて塾まで走る。
「はぁはぁはぁ……つ、ついた…」
時間は7時55分。
ギリギリだけど間に合った。
靴を履き替え、今日の担当講師と座席が書いてあるホワイトボードに向かう。
「えーっと座席が8番。担当講師が……
えっ?いつものおじいちゃん先生じゃない。これ誰?」
そこに書いてあったのはいつもの先生の名前ではなく、「岡崎涼介(オカザキ リョウスケ)」という知らない名前だった。