先生と恋したい
10分後…
全部解き終わる訳もなくて、白っぽい回答用紙をしぶしぶ先生に渡した。
他のブースからは先生と生徒の話し声が聞こえるのに、ここのブースはなんの音もしない。
ちょっと前までは辛うじて丸つけのペンの音が聞こえていたけど、今ではそれさえも聞こえない。
(…沈黙が辛い………。)
そう思って声をかけようとした瞬間、隣からとんでもない言葉が飛んで来た。
「君さ、本当にこれ出来ないの?」
「………はい?」
「いや、真面目に解いたのかな?って思って。」
「解きました解きました。めっちゃ真面目に解きました。」
「本当?これすごい簡単な問題なんだけど間違ってるよ?」
(ちょっと待って…簡単な問題?
どこが?普通に難しかったんだけど…)
「いや、なんか、はい。すみません。」
「別に謝んなくて良いんだけどさ。
この問題公式あるの知ってる?」
「公式……」
「あぁー。そっからかー。」
物凄い大きなため息をつかれた。