ずっと、いつまでも。
詩と先ほどの出来事を話しながらゆっくりと歩く。
「ねぇはるひ、はるひさ、走って出てったじゃん?」
詩が、私が教室からいなくなったあとのことを話す。
「小野寺もね。
あのあと顔真っ赤にして走って出て行ったんだよ」
「本当、に…?」
50メートル走では10秒台、長距離も後ろから3位の私に、バスケ一筋の小野寺が追いつけない訳がない。
ねぇ、小野寺はどんな気持ちで私を追いかけたの?
それとも、私を追いかけたんじゃなかった?
今朝まで梅雨らしく空を覆っていた雨雲たちはどこかに消え、雲ひとつない青空が広がっていた。