ずっと、いつまでも。
地面を見つめていた顔をふと上げて見ると、私の見たことのない表情の彼がそこにいて。
真剣な眼差しが、じっと私に向けられている。
「…久しぶり、だね」
「うん…、そうだな。
…なんか、俺に言いたいことあるんだろ?」
沈黙を破った私の言葉は、どうやら彼が待っていた言葉とは違ったようで。
彼のその眼差しには、不安とも緊張とも読み取れる感情が見え隠れしている。
ここまで来て、退くわけにはいかない。
私は全てを話す覚悟をしてここに来たんだ。
「小坂…?」
名前を呼んでくれたのなんて、何年ぶりだろう、と高まる気持ちと溢れそうな涙を抑えながら、私はゆっくりと口を開く。