Blue Moon
あれから黒崎さんは仕事に出掛けてしまって、私は...何故か尚さんに連れられて縁側に腰をかけている

そもそもなんでこうなったかと言うと昼食を食べて黒崎さんが出掛けた後、私は尚さんに話があるからいいかなって言われたからきたんだよね...。


それなのに...尚さんは下を向いて何も話さない

どうしたんだろう......。


「あの...!「あのな、月海ちゃん。今から俺が言うことは月海ちゃんにとったら信じられないことかもしれないけど聞いて欲しい。」


私の言葉に被せて真剣な眼差しの尚さん

私もゆっくりと首を縦にふる。


「...恭雅は、俺の弟なんだ」


私は恭雅の名前がでてきて体がこわばるのを感じた

「俺の弟が...本当に悪いことをした...っ!」

バッと頭を下げる尚さん

「尚さんは...悪くありません!
だから顔を上げてください」

私は慌てて止める

「いや、あいつが変わってしまったのには俺にも原因がある。
それに、時雨の大事な子は俺にとっても大事だから...だから兄の俺がまず謝る

本当にごめんな」


今にも泣き出しそうな顔の尚さん

「......私、確かに今でも恭雅の事が許せません。
でも...ここに来て黒崎組に出会って人の温もりを感じました。

恭雅のお兄さんだからって尚さんを憎んだりしません。

私の知っている尚さんは優しくていつも皆のことを考えて行動している尚さんです。

だから...誤ったりしないで下さい。」


尚さんは目を一瞬見開くと優しく笑う

「ありがとう、月海ちゃん。」


「こちらこそありがとうございます。」


「じゃ、そろそろ俺も時雨のところに行ってくるよ。」

立ち上がって伸びをする尚さん

「はい。頑張って下さいね」


ニコッと笑って去っていく尚さん


尚さんと少し仲良くなれた気がする

日が暮れようとしていた。

そんなに話してたんだ...

明日の準備でもしよっと
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