Blue Moon
皆の視線が刺さるみたいで私は少し俯きながら入る

「今日から転校してきた神咲月海さんだ。
仲良くしてやってくれ」


黒板に私の名前を書く先生


「じゃあ神咲。一言挨拶してくれ」


「あ、あの!
月海って言います。短い間ですがよろしくお願いします!」


ざわつくクラス。
何か言ってるみたいだけど何かはわからない


「はい、静かに。
じゃあ、神崎の席は...「先生、俺の隣にしてください」


この声は...瑞希くん?!

ど、とうしてここに??


「...わかった。じゃあ神咲は高塚の隣だ」


「は、はい」


私の席は窓側の一番後ろの席だった

鞄を横にかけてゆっくり座る


「月海ちゃん、おはよう!」

瑞希くんが眩しいくらいの笑顔で少しホッとする私


「うん、おはよう。
まさか瑞希くんと同じクラスなんて驚いたよ」


「俺だけじゃないよ、修斗もこのクラスだよ」


えっ、そうだったの!

じゃあなんでクラスにいないのかな...?

確かに私の斜め前に空席が一つだけある

「なんでクラスにいないのって顔だね」


ば、ばれてる...!


「安心していいよ、ただのサボりだから。
修斗はあんまりクラスに来ないからね〜。

何してるかなんてわかんないけど、多分どっかで寝てるんじゃないかな」


頬杖をつきながらにこにこ笑う瑞希くん


「そっか。
で、でも授業に出なくて大丈夫なの?」


「あ〜、それは大丈夫だよ。ああ見えて修斗は凄く頭いいからね。

俺も勉強を教えて貰ったり「俺のホームルーム中にお喋りか?高塚」


瑞希くんの後ろには恐ろしいお顔の先生が...


「や、やだなぁ〜。
ちょっとした挨拶だよ!」


「そうかそうか。
お前は言い訳が下手くそだな」


笑ってるけど、目が...笑ってない

瑞希はにこにこしながらも焦っている


「さ、咲夜ちゃんごめん!
だから落ち着いて」


「.....はぁー。
次はないからな

神咲もだぞ」


ギロッと私を見る先生


「は、はい...っ」


そう言って先生は教壇に戻っていく

こ、怖い

あの先生やばいよ、絶対!


「はぁー...死ぬかと思った」


ひどく疲れた様子の瑞希くんを横目に見ながら先生のホームルームを聞く
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