Blue Moon
風呂場からシャワーの音が聞こえる

急いで風呂場に行くとお母さんが倒れていた

手首からタイルにかけて血で真っ赤だった


「お母さんっっ!」

お母さんを抱き起こす

「どうして...こんなことっ!」

涙がとめどなく流れる

意識が朦朧としているお母さん

「月海...」

血で真っ赤の手を私の頬に伸ばす

「お母さんっ」

頬にあるお母さんの手を握る

「月海...ごめ...ね。
あなたを.........一人に...してしまって...
あの人のこと...どうしても...忘れられな...かった...絶えられなかったの...」

綺麗に涙を流すお母さん

「じゃあ...もっと一緒いてよ...っ」

ゆっくり首をふるお母さん

「月海...強く生きて......。

あなたのこと......愛...して...るわ」

最後に私の大好きな笑顔で微笑む。

頬にあったお母さんの手が私の手からするりとおちる

「お母さんっ!
置いていかないで...っ」


どれだけ呼びかけてもお母さんは目を覚ますことはなかった。


だってもう息をしてないんだから
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