あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
早坂さんはしばらく、考え込んで、ゆっくりと起き上がった。落ちていたシャツを羽織ると、私に向かって言った。
「仕度しろよ」
「えっ…」
私は、体を起こして、捲れ上がったシャツを下に引っ張る。
「送って行くから…」
早坂さんは、無表情でいう。
「早坂さん?本当にいいの?」
彼の顔をみあげる。
「あいつの所が、いいんだろう?」
「ごめんなさい…」
早坂さんの車で、志賀くんの家に向かう。
時刻はもう12時近い。志賀くんもう寝てるだろうな。志賀くんには、何も言わないで出てきてしまったから、今日はもう、会えないかも知れない。